マッキントッシュ ゴム引きコートについて

MACKINTOSH

英国を代表するブランドであるマッキントッシュは、時代性があるクラシックなスタイルを提案し本物志向の人々から愛され続けています。
名品と謳われているゴム引きコートは、今も19世紀初頭に発明された当時の製法のままで、職人によってハンドメイドでつくられています。
また、綿ギャバジンのトレンチコートやキルティングジャケットなどの英国の伝統的なアウターウェアをモダンなフィッティングや素材感で今の英国を感じるスタイルに昇華させているのが、選ばれる理由です。
マッキントッシュのゴム引きコートは、マッキントッシュクロスと呼ばれる、二枚の生地の間に液化した天然ゴムをのばして圧着し、熱を加えた伝統的なクロスでつくられた特別なものです。
今の時代に必ずしも手軽なコートではありませんが、袖を通すと感じる独特のフォルム、衣擦れの音、匂いが、ファッション業界のプロフェッショナル達を魅了しています。
伝統的な製法でつくられているため、着用、洗濯、保管状況に応じ、生地の風合いや色目が多少変化します。この経年変化による退色感が魅力のひとつです。

cleaning

手仕事による水洗い

ゴム引きという特殊な素材を使用しているため、家庭での洗濯およびドライクリーニングはできません。当社では、英国マッキントッシュ社からの指導を受けて国内唯一のマッキントッシュ公認クリーニングとして、ゴム引きコートの特性を理解し、高級クリーニングの豊かな経験から導き出した、最良の手洗いを施します。

repair

リペア/純正パーツによるテープの張替え

どんな衣服でも長年着用し続けるには、メンテナンスが不可欠です。
ラヴァレックスでは、シミ抜き、色褪せした箇所の補色、 英国マッキントッシュ社純正のテープ(在庫によっては同色ではなく、似た色でのご提案となります)とグルー(特殊な接着剤)を使用したテープ剥離修理等で、専門の職人が大切にリペアいたします。

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仕上げまでの流れ

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    1.検品・カルテ制作・お見積もり 健康状態をじっくり診察

    お客様の依頼書と照らし合わせながら、付属品の確認、シミやキズなどの有無をチェックしてカルテに記入し、最終的なお見積もりをお客さまにお伝えします。カルテに記入されたサービス内容およびお見積もりにご了解頂けましたら、マッキントッシュが生まれ変わるトータルメンテナンスのスタートです。

     

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    2.前処理・シミ抜き シミ抜きはスピードが命です

    まずは目立つシミを取り除きます。一口にシミとはいえ、その種類は皮脂や汗、食べこぼしなど、さまざまなケースが考えられます。シミに応じて最適な処理を施すのが経験豊かなラヴァレックスの職人です。

    油性の汚れには溶剤、水性の汚れには水と、2種類のスプレーを瞬時に使い分け、浮き出た汚れは上からブラシで擦ると同時に、生地を斜めにして横からすばやく吸引。このスピードこそが、シミを広げずに落としきるポイントです。

    ゴム引きコートの生地は、液体が下へ浸透しづらい素材のため、通常の3倍の時間をかけて処理していきます。

     

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    3. 水洗い 汚れを根こそぎ掻き出します

    次はいよいよラヴァレックスの真価が試される水洗いの工程です。

    この水洗いは機械に頼らない完全な手洗いで、“ささら”という道具を使うのが特徴です。竹を細かく割いたささらは昔ながらの道具で、着物など高級衣類の洗濯に使われてきました。

    毛先に丸みをもたせているため、繊維にするりと分け入り、汚れを確実に掻き出すことができます。とはいえ、ゴム引きクロスはとてもデリケート。

    ささら洗いは経験値によるところが大きく、職人の本領が発揮される場面です。まずは特別な溶液で湿らせてから、一定のリズムで掻き出し、汚れを拭き取ることをくり返します。

    隅々まで洗い上がるころには、くすみがとれて透明感が増し、本来の色が鮮やかに蘇ります。

     

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    4. プレス プロだから成せるプレス

    プレスは水洗いに次ぐ大切な工程です。立体型のアイロン台とハンドプレスを駆使し、本来のシルエットを蘇らせる作業は、想像力と豊かな感性が必要とされます。ゴム引きコート独特の生地の風合いを損なわないように、職人の手によって慎重に仕上げていきます。

     

     

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    5. リペア 必要に応じてリペア

    <補色>
    変色などの補色を行います。使用するのは50色もの染料。これらを混ぜ合わせて、衣類に合った色をその都度調合するため、アーティストのように繊細な色彩感覚が要求されます。
    細筆とエアブラシを使い分けながら、塗っては乾かすことをくり返し、最後にパーツ全体に色を塗って補色部分をなじませます。

    <テープ貼りつけ>
    ゴム引きコート内側のテープ剥がれの接着修理の大部分には、英国のマッキントッシュ社で実際に使われているグルー(接着剤)を使用します。また圧着させるコテや、はみ出たグルーを絡めとるローラーは、現地で譲り受けたもの。ですから、修理を経てもマッキントッシュ本来の味わいが損なわれることはありません。一つ一つ職人の丁寧な手作業で修理を行っていきます。

     

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    6. 仕上げ・検品 愛情込めてハンドブラッシング

    すべての工程が終了したら、職人が隅々までブラシをかけて、コートの状態をカルテを見ながら最終確認します。その際に、お客様のコートの状態やクリーニング内容を明記したものをお品に添付してお客様の元にお送りします。